フリーランスとして開業するにあたって、青色申告承認申請書を提出したいという方も多いでしょう。
今回は、フリーランスが知るべき青色申告承認申請書のことに関して、徹底的に解説いたします。
- 青色申告はそもそも必要なのか
- 申請書の入手方法
- 提出方法と期限
- 書き方
- その他の注意点
などをすべて載せておきます。
青色申告承認申請書とは
青色申告承認申請書とは、「青色申告したい」という意志を税務署に知らせるための書類です。
フリーランスWebライターは、基本的に確定申告する必要があります。
確定申告には、白色申告と青色申告があります。
白色と青色は単に「種類の違い」を示していて、実際は、どちらかの方式を選んで確定申告することになります。
青色申告には、基本的に税金が安くなるというメリットがあります(白色と青色の違いについては後ほど説明します)。
また、青色申告承認申請書を提出するには、開業届も必要です。
開業届は、青色申告承認申請書と一緒に提出することも可能です。
そのため、「これから開業する」という方は、一緒に提出してしまうことをオススメします。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告承認申請書の提出期限は、以下の通りです。
開業日が1月1日~1月15日の場合 | 3月15日まで |
開業日が1月16日以降の場合 | 開業日から2か月以内 |
青色申告承認申請書や開業届に書いた開業日が参照されます。
そもそも青色申告したほうがよいのか
青色申告したいから青色申告承認申請書を提出するわけですが、そもそも、青色申告したほうがよいのかどうか疑問という方もいるでしょう。
結論から言うと、私は青色申告をオススメします。
- 白色申告:青色申告よりも税金が高くなりがちだが、すぐできる
- 青色申告:税金が安くなる可能性があるが、申請が必要
また、「青色申告は白色申告よりも難しい」というイメージの方が多いかもしれませんが、現在はどちらもそれほど手間は変わりません。
特に、クラウド会計ソフトなどを使用すれば、白色申告とほとんど同じ手間で青色申告できてしまいます。
青色申告承認申請書はどこで手に入る?
青色申告承認申請書の入手方法は以下の2つです。
- 直接税務署に行って書類をもらう
- 国税庁のHPから書類をダウンロードする
どちらで入手してもまったく問題ありません。
入手方法によって青色申告の際に不利になったりすることはないので、お好きなほうを選んでください。
税務署で青色申告承認申請書をもらう場合
税務署の窓口で、「青色申告承認申請書をください」と言うだけです。
このとき、開業届を未提出の場合は、開業届も一緒にもらってください。
その場で青色申告承認申請書を書くことになると思うので、書き方をあらかじめ頭に入れておいてください。
国税庁のHPからダウンロードする場合
下記のURLからダウンロードできます。
A4サイズで印刷してください。
自宅にプリンターがある場合は、自宅のプリンターでPDFを印刷するだけです。
もし自宅にプリンターがない場合は、USBにPDFファイルをコピーし、コンビニで印刷することができます。
コンビニでUSBのデータをコピーする方法は、以下の記事を参考にしてください。
青色申告承認申請書の書き方
では、青色申告承認申請書の詳しい書き方をご説明します。
フリーランスとしてはじめて青色申告承認申請書を提出することを想定した書き方の一例なので、ご自分の状況に合わせて変えてください。
また、前半部分は開業届とほとんど同じなので、一緒に記入したほうが効率的です。
提出日
青色申告承認申請書を提出する日です。
郵送する場合は、封筒を出す日付を記入します。
税務署名
空欄でもかまいませんが、郵送の場合は後で封筒の宛名に書くことになるので、調べて書いておくといいでしょう。
税務署名は、基本的に納税地の税務署を記載しましょう。
下記のURLで、自分の住所から、各税務署の所在地を調べることができます。
納税地
自分が納税する場所の住所を書きます。
都道府県によって住民税の額などが違うためです。
納税地は、原則住民票がある場所です。
ただし、「住民票がある場所」と「現在住んでいる場所(居所地)」が異なる場合は、現在住んでいる場所で納税することもできます。
在宅フリーランスの場合は「居所地」にチェックし、自宅の住所を書いておきましょう。
上記以外の納税地・事業所等
住んでいる場所と事業所が違う場合は記入してください。
在宅フリーランスの場合は、基本的に空欄でかまいません。
氏名
自分の名前を書きます。
フリガナはカタカナで記入します。
印鑑は、実印(役所で登録した印鑑)でなくてもかまいません。
生年月日
自分の生年月日を記入します。
職業
フリーランスライターの場合は、そのまま「ライター」と記入すれば問題ありません。
職業を書くのは、デザイン業など、特定の職業で個人事業税がかかる場合もあるからです。
どのような業種にどれくらいの税率がかかるのかは、以下のサイトを参考にしてください。
屋号
屋号とは、簡単に言うと「店の名前」のことですね。
特になければ空欄でかまいません。
フリーランスライターの場合は、記入しないことが多いと思います。
屋号を記入すれば、その屋号の名義で口座を作ることができますが、特に必要ないでしょう。
平成_年分以後の所得税の申告は、青色申告書によりたいので申請します
青色申告したい分の年を記入します。
事業所又は所得の基因となる資産の名称及びその所在地
事業所を持っている場合は、その事業所で得られるお金の種類(売上金など)と所在地を記入します。
在宅フリーランスの場合は空欄でかまいません。
所得の種類
フリーランスライターの場合は、事業所得です。
開業・廃業等日
開業日を記入しましょう。
開業日は、はじめて所得を得た日付でなくてもかまいません。
「私はこの日に開業したんだ!」と思った日付を記入しましょう。
開業届も提出する場合は、同一の開業日を記入しましょう。
事業所等を新増設、移転、廃止した場合
あてはまる場合は、必要事項を記入してください。
在宅フリーランスの場合は空欄でかまいません。
いままでに青色申告承認の取消しを受けたこと又は取りやめをしたことの有無
はじめて申請する方は、「無」を選択してください。
本年1月16日以後新たに業務を開始した場合、その開始した年月日
開業届に記載した年月日と同じ日付を記入してください。
相続による事業承継の有無
自分で開業した場合は、「無」を選択してください。
青色申告を承認された配偶者などの事業を引き継ぐ場合は、記載してください。
簿記方式
青色申告で65万円の青色申告特別控除を受けたいなら、複式簿記を選択しましょう。
簡易簿記を選んだ場合の特別控除は、10万円です。
クラウド会計ソフトを使えば複式簿記でもカンタンに申告できるので、複式簿記にしておくことをオススメします。
備付帳簿名
最低でも、
- 総勘定元帳
- 仕訳帳
- 固定資産台帳
をチェックしましょう。
他の項目はチェックしなくてもかまいません。
これは、いわば「現時点でどのような帳簿を作りたいと思っているか」と聞かれているだけなので、後から変わっても問題ないので安心してください。
その他
特に何も記入しなくてかまいません。
関与税理士
もしすでに顧問税理士などがいる場合は、その氏名と電話番号を記入しましょう。
特にいなければ空欄でかまいません。
青色申告承認申請書の控えを用意する
青色申告承認申請書の記入が終わったら、自分でコピーして控えをとっておきましょう。
コピーした控えの右上に「控」と書いて、○で囲んでおけば問題ありません。
青色申告承認申請書の控えは今後使用する可能性があるので、大切に保管しておきましょう。
青色申告承認申請書の提出方法
青色申告承認申請書は、以下2つの方法で提出できます。
- 税務署に直接持ちこむ
- 税務署に郵送する
近くに税務署があるのであれば、直接持ちこんでもかまいません。
税務署が遠い場合、税務署に行くのが精神的におっくうだという場合などは、郵送でも提出が完結するので安心してください。
では、それぞれの方法について詳しく解説します。
税務署に直接持ちこむ場合
税務署に直接持ちこむ場合、必要なものは以下のとおりです。
- 青色申告承認申請書
- 開業届(まだ提出していない場合)
- 開業届の控え(まだ提出していない場合)
- 印鑑(念のため)
- マイナンバーカード、または本人確認書類(開業届に必要)
特に封筒などに入れる必要はありません。
これらの書類を、直接税務署に行って提出するだけです。
税務署に直接持って行けば、書類に不備があった場合はその場で指摘してもらえるので、再提出の手間がかかりません。
印鑑は、万が一書類を書き直さなくてはならなくなったときに必要なので、一応持っていってください。
本人確認書類は、開業届のマイナンバーを証明するために必要なので必ず持っていってください。
ただし、すでに開業届を提出している場合は必要ありません。
税務署に郵送する場合
税務署に郵送する場合は、以下のものが必要です。
- 青色申告承認申請書
- 青色申告承認申請書の控え
- 開業届(まだ提出していない場合)
- 開業届の控え(まだ提出していない場合)
- 返信用封筒(サイズは自由)
- 82円切手×2(提出用・返信封筒用)
- マイナンバーカードのコピー、または本人確認書類のコピー(開業届用)
郵送による提出は、
- 税務署に青色申告承認申請書を郵送
- 税務署が書類を確認
- 問題なければ控えだけを返信してもらう
以上のような流れになっています。
返信用封筒を入れるのは、青色申告承認申請書の控えをもらうためです。
郵送用封筒の書き方
郵送用封筒には、以下のことを書きましょう。
- 税務署の郵便番号
- 税務署の所在地(表右側)
- 「○○税務署御中」(表中央)
- 「青色申告承認申請書在中」(表左側)
- 自分の郵便番号・住所・氏名(裏左側)
これで特に問題ないと思います。
返信用封筒の書き方
返信用封筒は、以下のことを封筒の表側に書けば問題ありません。
- 自分の郵便番号
- 住所
- 氏名
氏名は、「ヤマ田太郎 行」のように「行」を足しておきましょう。
返信用封筒には切手を貼るのを忘れないでください。
必要な書類を入れた通常の封筒サイズであれば、82円切手で問題ないと思います(2020年現在)。
切手は郵便局の窓口で買うこともできますし、たいていのコンビニでも、レジの店員さんに「82円切手○枚ください」と言えば買うことができます。
青色申告承認申請書を提出した後は
特に問題がなければこれで終わりです。
郵送で提出した場合は、返信用封筒で控えが送られてくるだけです。
書き方に問題があった場合は、再提出する必要があります。
まとめ:青色申告承認申請書を提出する流れ
在宅フリーランスWebライターとして青色申告承認申請書を新しく提出する場合、たいていの方は以下の流れで提出することになるでしょう。
- 青色申告承認申請書を手に入れる
- 必要事項を記入して控え用のコピーを作成する
- 直接または郵送で税務署に提出する
開業届を提出していない方は、青色申告承認申請書に必要なので一緒に提出してください。
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