せっかく毒親と離れられたのに、毒親の記憶がフラッシュバックしてツラい。
でも、フラッシュバックの対処法なんてあるのかな。
もう毒親と離れられたのに、なんでイヤな記憶がフラッシュバックしてしまうんだろう。
自分の心が弱いせいなのかな…しんどい。
今回は、「毒親と離れても毒親の記憶がフラッシュバックしてつらい方」向けの記事です。
私も毒親から離れて数年経ちましたが、いまだに寝起きがけのフラッシュバックに悩まされています。
昔毒親にされたことを妙にリアルな空気感で思い出し、心底イヤなのにその場面が頭から離れなくなるんですよね。
おまけに、
せっかく毒親から離れたのになんでフラッシュバック…私が弱いせい?
私はまだ過去を引きずってるの?実はしがみついちゃってるの?
そんなの絶対イヤだ!でも、もし無意識にこだわってるんだったらどうしよう。
と自己嫌悪までしてしまう。
そして、ネットで「フラッシュバックを消す方法」を探し回って次々と試すものの…あまり効果がなくてますます落ちこむという負のスパイラル。笑
でも、私の場合は、今回ご紹介する対処法でだいぶフラッシュバックが減りました。
私が長く悩んだ末に試した中で、1番効果があった対処法を伝授しますね。
毒親育ちのフラッシュバックに対する一般的な対処法5つ
私のやり方をお伝えする前に、毒親育ちのフラッシュバックを消す一般的な対処法を5つご紹介します。
私個人としてはあまり効果を感じなかったり継続できなかったりしたのですが、この方法でよくなる方も必ずいると思うからです。
まだ試したことがない方は、ぜひやってみてください。
【対処法1】楽しいことで気を紛らわす
おそらく、「フラッシュバックを消したい!」と願う人なら誰もが試したことありそうな方法ですが…。
スポーツやゲームなどの趣味、好きな人との会話など、楽しいことをしていれば気が紛れることもあると思います。
実際、私もうまく気分が乗れば、フラッシュバックしたことを忘れてそのまま趣味の映画やゲームを楽しむことができます。
体感では、30分くらい挑戦すると成功率約5%、2時間くらい粘ると成功率30%程度ですかね。
2時間もイヤな記憶と戦うのが「成功」と言えるかどうかはアヤしいですが。笑
楽しいことでフラッシュバックした記憶を忘れられるなら、気分もよくなるし楽しいし最高だと思います。
ただし、できるならですが。
この「気を紛らわす」という方法は、どんなに「明日上司に気まずいことを言わなきゃ」「好きじゃない人と出かけるのダルいな」などイヤなことが控えていても、楽しいことをしていれば100%忘れられる人にとっては効果がある方法です。
でも、今までフラッシュバックに悩んできた毒親育ちで、「楽しいことをすれば忘れる」という性質の人はあまりいないでしょう。
むしろ、今までお話した方々を思い返すと、「イヤな記憶を思い出すと楽しいことも楽しめない」という方のほうが多いです(むろん私も)。
【対処法2】ひたすら耐える
フラッシュバックにひたすら耐える。
1番最初は、私も無意識にこの方法を使ってました。
実はこの「耐える」という単純な方法、やってみると意外とできてしまうんです。
毒親育ちには、毎日毒親の暴言や理不尽な行動に耐えてきたからこそ、フラッシュバックにも耐えてしまえる強さがあるからです。
ただ、その強さが、悲しいことに毒親育ちをガマンの限界まで追いつめてしまうこともあるんですね。
ただ耐えるのはもちろん体にも心にもよくないし、まずそもそもツラいですよね。
耐えるのはもうやめたいからこそ、このページに訪れてくださった方も多いはず。
ただ耐えていても、いつか必ず苦痛で限界を迎えます(私も経験済み)。
今できているからといって「ただ耐える」方法をつづけていると爆発してしまうので、ムリはしないでください。
【対処法3】自分を愛してあげる
これもよく提案されるのですが、「自分を愛してあげて過去の記憶を癒す」という方法もあります。
自分を愛することで、「小さい頃の私は何も悪くないよ、大丈夫だよ」という気持ちが芽生えてきて記憶が癒される、というカンジでしょうか。
自分を無条件に愛して癒され、過去の記憶が優しく包みこまれて、自己肯定感もとり戻せる。
たしかに、理想的な方法であることは間違いないでしょう。
でも、もともと親から愛を受け取れず、無条件の愛に触れる経験が少なかった毒親育ちが、いきなり自分を無条件に愛してあげるのってかなり難しいんですよね。
ゴルフをやったことがないのに、「今日からこの子にゴルフを教えてあげてね」と言われるみたいな。
もちろん、継続して自分を愛せるように努力していけば、いつかは自然と自分を愛せるようになり、過去の記憶が癒されていくのかもしれません。
でも、毒親育ちは、今までもう十分なほど努力していて疲れ果てているんですよね。
本来なら家庭で受け取れたはずの自己肯定感や愛情を知らず、傷つけられてボロボロなのに、普通の人と同じように立ち上がって生きなきゃ「甘い」って言われる状態で生きてきたんですから。
それほど力を入れなくても自然に自分を愛せる人は、この方法で自分を癒していくのももちろんアリだと思います。
でも、かなり努力して自分に「私は愛されてるよ」と何回言い聞かせても自分を愛せない人は、もう自分に合わない方法で努力しなくてもいいと私は思います。
【対処法4】気にしないようにする
フラッシュバックした記憶を気にしすぎないようにする。
これもよく言われる方法ですが、個人的にはかなりムリというか、非現実的すぎる方法な気がします。
気にしない、考えないようにやせガマンしたところで、逆に頭から離れなくなってしまうのがオチではないでしょうか。
ときに、当事者でもないまわりの人間から「気にしすぎだよ!」と能天気にアドバイスされて、
そっか…私は気にしすぎなんだ。
過ぎたことは気にしないようにするのが「普通の大人」だもんね。
と思いこみ、それでもフラッシュバックを気にしてしまう自分に悩んでいる毒親育ちもいます(私もです 笑)。
もちろん、アドバイスした相手に悪気はないと思いますが。
そもそもなんですけど、
- 親に暴力をふるわれ、命の危機を感じた
- 親に人格否定され、「生まれてきたくなかった」と泣き叫んだ
- 「自分が生きているだけで親に迷惑がかかる」と思わされてきた
- 必死こいて親の思いどおりに動かないと居場所がなかった
なんて人生の存亡に触れる強烈な体験を、「気にせんとき~」で片づけられるわけないんですよ。
もちろん、フラッシュバックに固執して、かわいそうな自分をアピールしてみんなに慰めてもらうべきだというわけじゃなくて。
「フラッシュバックで苦しむのもムリはない体験をしてきたんだから、気にする自分を否定しなくていい」ということです。
【対処法5】フラッシュバックを受け流す
最後にご紹介する一般的な方法は、フラッシュバックしてきた記憶を「ふーん」と軽く受け流す方法です。
記憶の中でどんなに母親が暴言を吐いてきても、父親が暴力をふるってきても、
ふーん、で?何この記憶?
今の私にはもう関係ないし。
とクールに反応するように自分を変えるんです。
実は、この方法は私の肌に合っていたのでしばらく続けていました。
でも、続けているうちに、心のどこかで「自分は平気なフリをしている。本当は不快だし心が乱されるのに。本心にウソをついている」と思うようになってしまったんですね。
どんなにクールに振る舞うようにしても、強烈な体験だったからこそ、そうカンタンには受け流せないんです。
強くあれない自分が情けなくて、「自分は弱い人間だ…」と自己嫌悪におちいったこともありました。
だいぶ過去のキズが癒えてきていて、過去の記憶と一定の距離をとれる方にはとてもオススメの方法です。
毒親育ちのフラッシュバックを消すオススメ対処法
ここまで、毒親育ちのフラッシュバックへの一般的な対処法をご紹介しました。
もちろん、これらの方法にまったく効果がないとは思いませんし、実際によくなる方もいるでしょう。
でも、やっぱり気をそらしたり受け流したりするだけではフラッシュバックは消えないし、いちいち対処するのも苦しくて疲れる。
自分を愛そうにも、心のどこかで自分が「しらじらしい」「でもやっぱり…」と違和感をもっている気がする。そんな方も多いでしょう。
では、ここからは、一般的な方法でもどうにもならなかった方のために、私が1番効果を感じたフラッシュバックの対処法を伝授します。
これでもよくならなかったら…ごめんなさい!!
<STEP1>「フラッシュバックに意志は関係ない」と知る
まず前提として、フラッシュバックは自分の意志に関係なく起こるということを知っておいてください。
これは気休めでもなんでもなく、事実です。
参考リンク:PTSD|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
フラッシュバックに意志の力は関係ないので、「フラッシュバックで過去のことを思い出してしまう自分は弱い」なんてこともないわけです。
熱いフライパンに触れて手を引っこめる動作を意志の力でやめられる人はいないし、手を引っこめる人に「オメー弱ぇな~!」なんていう人はいないのと一緒です。
そして、「フラッシュバックに意志は関係ない」ということは、意志の力でゴリ押してフラッシュバックをなくすのも難しいということです。
だから、
うお~!気合と根性でフラッシュバックをなくしてやる!
消えろ!失せろ!忘れろー!
という行動はあんまり意味がないってことですね。笑
<STEP2>過去のことは思い出さなくていいと「許可」を出す
ここが1番のポイント。
強引にフラッシュバックを消すのはムリだけど、「もうフラッシュバックで昔を思い出す必要はないよ」と自分に許可を出すこと。
これが、私の提案できる現実的なフラッシュバック対処法です。
毒親に生存権・人権・安心できる生活などをおびやかされていた昔は、自分を守るために「危なかったときの記憶」を定期的に思い出す必要があったかもしれません。
常に毒親の顔色や行動に気を配らないと苦しめられてきたので、「ひどい目にあったときの記憶」を警備マニュアルのように心にとどめておく必要があったかもしれません。
でも、毒親から離れることができた今はもう、そのような記憶を何度も思い起こす必要はないんです。
だから、自分に「許可」を出してあげてください。
「もうこんなこと思い出さなくても大丈夫だ」と。
意志の力で「フラッシュバックは許可しない!」と抑えこむわけではありません。
心身が「もうフラッシュバックしなくていいんだ…」と感じる状況を作り出していくのです。
こうやって少しずつ潜在意識を変えていくのが、フラッシュバックをなくしていく1番の近道だと私は思います。
毒親育ちのフラッシュバックは〇〇を教えてくれる
一般的に、フラッシュバックは当然ツラくて苦しいものですよね。
今でも私はそう思いますし、できるなら毒親のことなんて思い出したくもありません。
ただ、最近気がついたのですが、そんなフラッシュバックの「メリット」が1つあると気づきました。まあ、あえて言うならですが。
フラッシュバックは、「あなたが今どんなことを大切にしているか」教えてくれます。
例えば、私はつい最近、「ちゃんと勉強しているか母親に逐一監視されているシーン」がフラッシュバックしてイヤな思いをしました。
そのとき気づいたんです。
逆に言えば私は、「勉強するなら1人で学びたいことを自由なタイミングでやるのが好き」なんだと。
自分の進路ややりたいことを探しているなら、もしかしたらフラッシュバックした記憶が教えてくれるかもしれません。
どうせだからそういう活用方法もアリかなと思います。
まとめ:毒親育ちのフラッシュバック対処法は「許可」
今までいろんな方法を試してみたけど、毒親との記憶のフラッシュバックはなかなか消えなかった。
そういうときは、「もう過去の記憶は必要ないんだ」と許可を出す方法で対処するのがオススメです。
フラッシュバックは意志の力で消せるものではありません。
「いつまでも昔のことを思い出している自分は弱いんだ」と悩む必要はないので安心してくださいね。
最後に1つ注意点があります。
ここでご紹介した方法は、あくまで「自分でできる範囲内」での対処法です。
自分1人の力だけでは解決しないこともあると思うので、そのときは医療機関やカウンセラーの力を借りてください。
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