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「大人になれば平気」?子供の「今」を無視しないで

 



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よく、「大人になれば気にならなくなるよ!」と子供を励ましている大人を見るけど、あれってなんかモヤモヤするよね。

「時間が解決してくれる」ってアドバイス、なんか嫌いだな…。

そんなモヤモヤを解消するための記事です。

たしかに、大人になると、いろいろな困難に耐性がつき、子供の頃にくらべてささいなことが気にならなくなりますよね。
でも、その感覚を子供に強要しちゃっていいんでしょうか?

今日は、子供と大人の価値観の違いについて、私の考えを書かせていただこうかなと思います。

友達と違うペンを持っているなんて大問題!?

大人になってから思い返すと、「なんで昔の私はあんなことを気にしていたんだろう」と思うことがありますよね。

たとえば、私は小学生の頃、

お友達と同じ文房具を持っていないなんてカッコ悪い…。

と考えていました。
文房具だけではなく、カバンや靴なども同じです。

同級生と持ち物の足並みをそろえたくてしかたがなかったんですね。

もちろん、大人になった今では、「いい!」と感じたものを除けば、人と同じアイテムを持ちたいなんて思いません。
むしろ、持ち物がかぶっていると気まずいくらいです。笑

大人になった今でも「子供にとっての大問題」を想像できるか?

このような、「昔は気にしていたけど今は気にならない」という感覚に覚えがある方は多いかと思います。

ところが。
大人になってから子供と接するとき、この感覚を思い出せる方はそういないのではないか?

大人の自分にとっては何でもないことなので、子供に対しても、ついつい大人と同じ物差しで「この子の悩みはたいしたことない」と判断してしまう人がいます。

例えば、幼い頃、私は、学校の先生に「同じクラスの○○ちゃんにバカって言われた」と相談しました。

(大事になったらどうしよう…。
クラスのみんなに公表されたらどうしよう…)

などさまざまな不安と戦いながら、心臓がバクバク鳴る中で、勇気をふりしぼって職員室のドアを叩いた記憶があります。

しかし、大人である先生にとっては、(もちろん個人差はあると思いますが)人に相談するほどのことではなかったのでしょう。

先生は、

そんなことをいちいち気にしてもしかたないよ。
Annaちゃんはちょっと繊細すぎるんじゃない?

と返してきました。

たしかに大人の先生からすれば、小学生だった私の「バカって言われたから先生に相談する」という反応はおおげさに感じたのでしょう。

でも、子供の私からしてみれば、クラス内での尊厳にかかわる重要な問題でした。
ハッキリ言ってしまえば、当時の私にとっては死活問題に等しいくらいの出来事でした。

このように、自分の物差しをそのまま他人にあてがってしまう大人が、子供時代に同じ言葉を言われたらどうなっていたでしょうか?
きっと、騒いだり怒ったり泣いたりと、強いアクションを起こしていたのではないかと思います。

もしかしたら何を言われても動じない子供だったのかもしれませんが、少なくとも良い気分はしなかったはずです。

その後も、子供の私は、悩み事を相談して大人に軽んじられるたびに、

大人は平気かもしれないけど、自分はまだ子供なんだから。
そのことを忘れないでよ。

という思いを抱きつづけました。

「大人になれば平気」。じゃあ、「今」はどうなるの?

よく、学校や部活など、限られたコミュニティでの人間関係に苦しんでいる子供に

卒業したらどうでもよくなるよ!

大人になれば気にならなくなるよ!

など、「時間が解決してくれる」という主旨のアドバイスを見かけます。
大人になった私も、「たしかにそのとおりだな」と思います。

でも、そのコミュニティの中で苦しんでいる子供本人にとっては、苦しみに耐えながら「将来」を待てるほど、「今」はなまやさしいものではありません。

「時間が解決する」というのは、未来の可能性のために「今」を楽しむことを捨てるという選択だと私は思います。
子供にそのような選択をさせるのは残酷だと感じます。

ただでさえ短い子供時代を苦しみに耐えたまま楽しく過ごせないなんて、大人だって想像しただけでイヤになりませんか?
できることなら私は、「今」を楽しめるような場所に道をつないであげるのがいいと思います。

「誰にとってならツラいか」なんてどうでもいい

大切なのは、「子供がつらいと感じている事実」だと私は思います。

一般的につらいものかどうか、もしくは大人にとって大変なことかどうかなんて、子供には関係ありません。

しかし、子供は大人よりも表現力がとぼしく、うまく自己表現ができないことが多いです。

そのため、教育現場にしろ育児現場にしろ、どうしても大人の気持ちのほうにスポットライトが当たりがちなのではないかと感じます。
巧みに育児を語る赤ん坊なんているわけがないので、しかたないですが…。

自分が想像できない苦しみを理解するのは難しいかもしれません。
特に、大人になるにつれて、子供の悩みはあまり想像できなくなります。

しかし、たとえそうだとしても、「相手がつらいと感じている」ことを無視しないほうがいいと私は思います。

出産の痛みを経験しなくても、つわりで苦しむ妊婦の妻に寄り添う男性はいますよね?
このとき男性は、

わかるわかる、出産って痛いんだよねー。

と理解しているから寄り添っているわけではありませんよね。笑
こういう男性は、「妻がつらそう」だから寄り添っているのではないでしょうか?

このように、相手がつらい思いをしているということに目を向ければ、つらさの度合いや内容が理解できなくても相手に寄り添えると思います。
ましてや「子供であること」は誰でも1度は経験しているはずですから、まず経験しないような苦しみにくらべたら、子供の苦しみを認識しやすいはずです。

子供のつらさに寄り添える大人は尊敬される

もしかしたら、急いで階段をのぼっているときに、段差をすばやく登れない子供が前にいたらイライラするかもしれません。
たいしたことない出来事でいちいち騒ぐ子供に、イライラすることがあるかもしれません。

私はそのイライラじたいを否定しません。

イライラするな!子供に気遣え!
子供の気持ちを想像しろ!

とは言いません。
イライラしても仕方がないと思います。

ただ、子供のつらさを肯定することは、大人にとっても子供にとってもいい影響があるのではないかと思っています。

子供は、あるていど大きくなると、他人の感情を自分の物差しでしかはかれない大人に失望します。
私もそうでした。

(私的には平気だから)お前は気にしすぎだ。

という自己中心的な判断をくだす大人は、けっして子供に尊敬されません。
そして、子供に尊敬されない大人は、子供から大切にあつかわれなくなっていきます。

逆に言えば、たとえ理解できなくても、他人の感情に寄り添える大人は子供に尊敬されます
寄り添ってもらえた子供は、寄り添ってくれた大人の態度を見て「優しさ」を学び、将来的には、他人にもその優しさを与えられるようになると思います。

もちろん、大人同士でも、他人の感情に寄り添える人を魅力的に感じるのは言うまでもありませんよね。

子供の「小さな」悩みにイライラしてもかまいません。
でも、そのイライラを子供にぶつけず、「子供が苦しんでいる」という事実にただ目を向けてみると、いっそう魅力的な人間になれるかと思います。

まとめ:子供の「今」と「苦しんでいる事実」に目をむけて

「時間が解決してくれるよ」というアドバイスは、子供の「今」を無視したアドバイスだと私は感じます。

大切なのは子供が今苦しんでいる事実であり、それに寄り添ってあげる大人は魅力的です。

もし、あなたが大人から相談に乗ってもらえなかった子供だとしたら、「自分は苦しんでいて、それを今どうにかしてほしいんだ」ということを伝えてみてください。
あなたには、楽しい学生生活や心休まる子供時代を送る権利があるはずです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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