最近SNSとかでよく聞く「親ガチャ」ってなに?
なんとなく意味はわかるような気がするけど…。
なんか、ニュースで「親ガチャ」って言葉を取り上げてみんな議論しているけど…なんで?
最近SNSで若者を中心につぶやかれている親ガチャとは何か、元毒親育ちの30代が解説します。
この記事では、
- 親ガチャとはなにか
- 親ガチャという言葉にまつわる世間の反応
- 親から精神的虐待を受けた子どもが、親ガチャという言葉をどうとらえているのか
について触れていきます。
親ガチャとはなにか読みやすく解説します
親ガチャというのは、2021年からSNSで若者を中心に流行した言葉です。
「ガチャガチャで何が出てくるかわからないのと同じで、どんな親のもとに生まれるかは運次第」という意味で使われています。
「子供は親を選べない、親がどんな人物かは運次第」という考え方はもともと昔からありました。
それを最近になってポップ(?)に表現するようになったのが「親ガチャ」だともいえるでしょう。
もう少しくわしく見ていきましょう。
「親ガチャ」の語源
親ガチャの「ガチャ」は、前にさくっと書いたとおり、レバーを回すとカプセルに入ったオモチャが出てくるガチャガチャが語源みたいですね。
最近では、「ガチャを回したらレア宝石が出るかも!」などのようにスマホゲームでガチャガチャのシステムが導入されていることが多いらしく、そのせいか、若者を中心に親ガチャという言葉が流行するようになったみたいです。
親ガチャにおける「あたり」「はずれ」の基準
では、どんな親が親ガチャにおける「あたり」で「はずれ」なのかといえば、それは「親ガチャ」という言葉を使う本人次第です。
例えば、「親ガチャあたり」というときは、
お金持ちの家に生まれたヤツって、親ガチャでいうなら激レアが当たったようなモンだよな。
ウチの親は優しいし、私のやることを何でも応援してくれるし、ホント親ガチャ当たりだと思う。
などのように、親の恩恵を受けたり、親に感謝することがあったりしたときに使われていることが多いです。
反対に、少し刺激的な表現の「親ガチャはずれ」は、
今日親に勉強しろって怒られたー。
こんなことくらいで怒る親とか、親ガチャはずれだわ。
親から毎日虐待を受けている。
なんで私は親ガチャにはずれちゃったんだろう…。
など、気軽なケースから深刻なケースまでさまざまな状況に応じて使われています。
いずれにせよ、大なり小なり親になにかしら思うところがあったとき、「親ガチャにはずれた」と感じる子が多いようです。
また、容姿や体質など、親から受け継ぐ遺伝のことで「あたり」「はずれ」を判断するケースもあります。
両親から太らない体質も受け継いだっぽい。親ガチャ運よすぎ!
両親も私も一重だし、親ガチャはずれだわ…。
みたいなカンジですね。
これは個人的な意見ですが、容姿や体質の遺伝などについてはさすがに親でもどうしようもないですよね。
遺伝のことで悩むのはもちろんかまわないとは思いますが、そのときばかりは気軽に「親ガチャはずれ」という言葉を使わないであげてほしいです。
親ガチャが世間で騒がれている理由
「親ガチャ」という言葉はニュースなどで大きく取り上げられ、社会現象にもなっています。
「子どもは親を選べない」というもともと存在する考え方を単に表すだけの「親ガチャ」という言葉が、どうしてここまで世間で大きく取り上げられるようになったのでしょうか。
それは、「親ガチャ」という言葉に大人たちが敏感に反応し、社会現象になるまで騒ぎたててしまったのが原因のように思えます。
親ガチャを問題視する方の中には、
親だって必死に頑張っているのに、ガチャみたいな「物」に気安く例えるな!
面倒みてくれた人に対して親ガチャなんて言うのか!
という声が多いようです。
たしかに、子どもが「親ガチャ」という言葉を使うことで、親の心がザワつき傷ついてしまったなら、問題になってしまうのも仕方がないでしょう。
ここからは個人的な意見ですが、もし親ガチャという言葉について議論するなら、大人側は少し冷静になって、なぜ子どもが「親ガチャにはずれた」と言ったのか考える必要はあると思います。
子どもが軽い気持ちで言ったにしろ、怨念をこめたにしろです。
「親ガチャにはずれた」と言う子どもの思惑を無視し、頭ごなしに「親ガチャとは何だ!親不孝者!甘えるな!」と批判しても何もいいことはありません。
発言を抑圧された子どもたちは、大人に面と向かって言えない気持ちを抱えこみ1人で苦しむか、別の歪んだ形で出してしまうだけですから。例えば、グレるとか危ない人に頼るとか。
ちなみに、感情にかられて頭ごなしに子どもを否定する親がどうなってしまうかは、実例をもとにこちらの記事で解説しています。
また、「親ガチャにはずれた」と言いたくなるような気持ちを抑えつけられた子どもがどういう人生を歩むのかは、こちらの記事で一例をご紹介しています。
親ガチャは本当に存在するのか
親ガチャとか言ってるけど、生まれの影響なんて本人の努力しだいで何とでもなるんだ。
など、「親ガチャはそもそも本当に存在するのか」という議論もされているようですね。
私個人としては、「生まれの影響」という意味で、たしかに親ガチャというのは存在すると思っています。
例えば単純に、「何でも好きな道に進んでいい」という親と「絶対父親のソバ屋を継げ」という親のもとに生まれるのでは、明らかに生まれたときの条件が違いますからね。
もっと言えば、アメリカ人の両親のもとに生まれるのと日本の両親のもとに生まれるのでも、全然環境条件が違うはずです。
じゃあ、「生まれた環境はその後の頑張りでどうとでもなるのか」と言われれば、ある程度は可能だけど難易度に差があると思います。
さっきの例でいえば、消防士になりたい子が「何でも好きな道に進んでいい」という親のもとに生まれたときと、「絶対父親のソバ屋を継げ」という親のもとに生まれたときでは、どちらが消防士になるのにハードルが高いかと言えば、もちろん「ソバ屋を継げ」という家庭なのは間違いありません。
ソバ屋の子は、親を説得するためのプレゼンや、そもそも話し合いの機会を設ける努力とかも必要になってきますからね。
望む人生を手に入れようとしたとき、どんな親のもとに生まれるかで実現難易度が変わってくるのは事実です。
「難易度が違う」という意味では、親ガチャは存在すると言わざるを得ないかと思います。
「親ガチャはずれ」は子どもの努力不足?
「親ガチャ」とかいってなんでも親のせいにするな!
若者側に努力が足りないんだ!
というご意見をたまに見かけます。
この意見に関しては賛否両論なようで、客観的な答えを出すのもなかなか難しいですね。
毒親育ちの私としては、「半分そのとおりで半分違う」と感じます。
さっきも書いたとおり、どんな親のもとに生まれるかで、望む人生を実現する難易度は変わってきます。
だから、ある程度はやっぱり、「親の影響」というガチャ要素はあります。
一方で、たしかに難易度は高いものの、生まれた環境から努力して自分の望む人生を歩むことはできます。
これは私の実体験で、「仕事は正社員!結婚必須!結婚しないなら実家で暮らせ!」と枷をはめてくる親のもとから必死に努力して脱出し、心の望むまま自由に暮らせるようになったからです。
もちろん、あまりに難易度が高すぎるとつらくなることは多々あります。
毒親育ちも、自分が望む人生を歩むには親の影響が大きすぎて、あまりに実現難易度が高いということはよくありますからね。
当サイトでは、「毒親育ちでも親の影響にかかわらず自分の望む人生を歩める方法」をたくさんご紹介しています。
メルマガでもいろいろな毒親脱出のための知識をご提供しているので、親との関係に悩んでいるのであればぜひご覧ください。
親ガチャとは?毒親育ちの個人的な見解
ここまで、親ガチャとは何かご説明してきました。
ここからは、毒親育ちが個人的に考える「親ガチャ」についてお話しようと思います。
結論から言うと、毒親育ちの私にとって親ガチャとは、「親に対する本心が言いやすくなる表現」です。
「毒親育ち」としてサイトを作り活動してきた私が、初めて「親ガチャ」という言葉を知ったときにまず思ったのは、
でした。
毒親育ちの私にとって、「親ガチャ」という言葉は、自分の身に起きている深刻な毒親問題をソフトかつライトに伝えられそうな言葉のように感じられました。
「毒親が人格否定してくる人だったので自信を失った」と言うよりは、「正直、親ガチャうまくいかなくて自信なくしちゃった」くらいのカンジで話したかったんです。
一方で、「この言葉に怒る人はゼッタイいるだろうなぁ」とも思いました。
あくまで個人的な意見ですが、子ども側が自分たちの気持ちを表現するために使いやすいと感じている言葉をひっつかんで、「これはよくない社会現象だ!」と問題視するのはちょっとヤボで大人気ないような気もしています。笑
親ガチャは、もともと存在する「親を選べない」という考え方を表す言葉にすぎないのですから。性的嫌がらせのことを単に「セクハラ」って言いやすく表現するのと一緒じゃないかと。
「親ガチャ失敗」にはいろんな基準があるようですが、世の中には、もう心底「親ガチャの引きが悪すぎる…」と言わずにはいられないほど、親のことで苦労してきた子どももいることでしょう。
かくいう私も、自発的にお金をかけてまでこういうサイトを作るくらいには「親ガチャの結果」で血の涙を流してきた人間です。笑
でも、最初に述べましたが、個人的には、いくら親のことで悩もうとそのことをあまり深刻に話したくはありませんでした。
毒親のことを重く扱うのも扱われるのもなんかしんどかったし、意を決して親の悩みを打ち明けると、脊髄反射でカッと怒られ説教されたり軽くあしらわれたりして、そもそも話すら自由にできず疲れる可能性が高いのがわかっていたからです。
ついでに言うと、周りや相手におかまいなく、深刻に悲しむ自分を勝手に見せつけ散らかす悲劇のヒロインになりたくなかったのもあります(悲しむのが悪いと言っているわけじゃないですよ!TPOの話です)。
だから毒親については、しんどくならないようあまり深刻にならず、読者さんの心にスッと入りやすいように、自分や誰かの心の平穏につながるように、なるべく冷静でドライな表現を心がけてきました。
「親ガチャ」という言葉は、そういうドライな表現みたく、もっと親に対する感情をラフにさらけ出しやすくするのに一役買うんじゃないかなと思っています。
当サイトでよく使っている「毒親」という言葉は、検索していただくためにあえてキーワードとして使っているとはいえ、文字どおり「毒気が強すぎて重い」と感じているくらいでしたから。
一方で、これだけ世間で親ガチャという言葉が騒がれているのを見ると、親のことで苦しむ子どもが、なるべく気軽にその感情や苦しみを伝えるにはまだまだハードルが高いのかもしれませんね。
(結果はどうであれ)必死に頑張っているのに「超激レア」「星1」と好き勝手ランクづけされて腹が立つ気持ちも、まあわからなくもないですし…。
まとめ:親ガチャとは「親は選べない」という意味
親ガチャとは、「ガチャガチャと同じで、どんな親のもとに生まれるかは運次第」という意味です。
親に思うところがあると「親ガチャはずれた」、親に感謝する出来事があったときなどは「親ガチャ当たり」と表現することもあるようです。
毒親育ちとしては、親ガチャという言葉が広まることによって親への率直な本音が言いやすくなり、子供がゴリゴリの勇気と気力を出さずとも、もっと親にたいする感情をラフに話せるようになったらいいなと思います。
一方で、親ガチャという言葉はニュースなどで取り上げられ、一部社会現象として問題になっているのも事実です。
親ガチャという言葉に関わらず、大人側がなるべく冷静に子どもの声を聴き、子どもが気を遣わなくても親に関する悩みを打ち明けられる場所が増えることを願います。
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